稲永 寛 Hiroshi Inanaga

近道
秋山画廊、1998年

ギャラリーの中に大きな箱を設置。内側の壁面のパネルには小さなビルや家がたくさん付いている。
秋山画廊の螺旋階段を下りて行くと,それが大きな都市だという事が判る。とても困難ではあるが、その中を歩き回ることも可能である。
赤い線はこの箱を展開した時、任意に決めた点と点の近道である。その赤い線の途中には炭鉱の街並・建物が見える。そこは私が育った場所でもある。現在は廃坑になった場所を私は近代の置いていかれた街並と現代の風景がそこにあることに小さなころから気付いていた。

私達は合理性という近道を歩いている。その途中の場面にはそうでない物によく出会う。


大きな箱 サイズ:3.6x 5.4x h2.7 m 素材:ベニヤ、白ペンキ
ビルなど 素材:木材(産業廃棄物)、プラスチック、スチロール、白ペンキ
赤い線 素材:ビニールテープ

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